サステナ開示・非財務情報開示の義務化が迫る!支援サービス比較5選
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サステナビリティ情報開示や非財務情報開示が義務化されるというニュースが流れています。そして、ESG情報開示という言い方される場合もあるようです。これらの注目を浴びている情報開示はどのように違うのでしょうか? また最近では「サステナ開示」と略して表記されているケースが多くなっていますが、併せてSSBJ、ISSB、CSRDという言葉も理解しておく必要があるようです。
そこで、企業のサステナビリティ情報開示や非財務情報開示を支援してくれるサービスと企業をご紹介していきながら、おすすめの5つのサービスを比較していきます。これからのサステナビリティ経営を実現するためのヒントは「コストから価値へ」です。わかりやすくご説明いたします。
目次
まずはサステナビリティ情報と開示内容を理解しよう!
サステナビリティ情報とは、企業が長期的に持続可能であることを表す幅広い非財務情報の総称です。具体的には企業が取り組む地球環境の保護、社会問題の解決、ガバナンスの強化、人的資本強化、地域社会との関わりなどの情報を指します。金融庁が2023年に法令を改正して、有価証券報告書に記載欄を新設したことで、上場企業にはサステナビリティ情報の開示が義務化されることになりました。
サステナビリティ情報と似たものに、ESG情報というものがあります。こちらは、企業の非財務情報をE:環境、S:社会、G:ガバナンスの3領域に整理したものです。サステナビリティ情報開示をESG情報開示と記載するなど、両者は混同して使われることも多いですが、一般的にはサステナビリティ情報の方が企業の総合的な持続可能性を表す広い概念であるとされています。なお、アメリカなどの一部地域では、ESGは企業の経済的成長を損なう政治的概念だと捉える風潮があります。そのため、ESGという表現を避ける傾向が強まっていますので、日本企業も表現に注意する必要があります。
日本におけるサステナビリティ情報の開示は、上場企業を対象に2023年から義務化が始まりました。金融庁が法令を改正して有価証券報告書に「サステナビリティに関する考え方及び取組」の記載欄を新設したのですが、開示内容は今後さらに強化される見込みです。
日本のサステナビリティ情報の開示基準は、SSBJ(日本のサステナビリティ基準委員会)が検討を進めていますが、その内容は世界的な開示強化の潮流を受けたものです。日本の開示基準にも強い影響を与えているISSB(国際サステナビリティ基準審議会)とEUのCSRD(企業サステナビリティ報告指令)についても知っておいた方が良いでしょう。
| 略称 | 名称 | 組織・場所 | コメント |
|---|---|---|---|
| SSBJ | サステナビリティ基準委員会 | 日本 | 日本版のISSBと呼ばれている |
| ISSB | 国際サステナビリティ基準審議会 | IFRS財団※の下部組織 | サステナビリティ情報の国際統一機関 |
| CSRD | 企業サステナビリティ報告指令 | EU(欧州連合) | EU市場進出企業は対応要 |
※国際会計基準(IFRS)および国際サステナビリティ開示基準(IFRS S1・S2など)を策定・維持・監督する非営利の国際組織
ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)はサステナビリティ情報開示の国際的な基準を策定する組織です。SSBJ(日本のサステナビリティ基準委員会)は日本版のISSBという位置づけになっていますので、SSBJの動きを先読みするにはISSBの動向を把握するのが有効です。
CSRDはEUが制定したサステナビリティ情報の開示を義務付ける指令です。EU域内の大企業や上場企業の他に、EUで取引をしている一定条件を満たす域外企業も対象となるため、日本企業も例外ではありません。こちらも段階的にサステナビリティ情報開示を強化していく方針でしたが、企業側から負担が重すぎるという反発の声があがっており、適用開始時期の延期や開示内容の削減が議論されています。欧州で取引のある企業は注視すべきでしょう。
このように日本における開示基準はSSBJを見ておけばよいですが、その背景にはISSBがあり、また欧州で事業を行う企業にはCSRDを遵守する必要があります。開示の準備を進める際にはこれらの動きも把握しておくと良いでしょう。
そして、企業が自社のサステナビリティ(事業継続性)を示すには、環境保護や社会課題対応などの非財務情報だけではなく、売上や利益がしっかり確保できるという財務の情報も併せて開示しなければ信ぴょう性がありません。ここからは、財務情報と非財務情報の違いや、両者を併せた開示について概要をご説明します。
財務情報/非財務情報と その違い
財務情報とは
企業の決算書に現れる情報です。具体的には、財務三表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)に記載されている売上高、利益、資産や資本、営業キャッシュフローなどの数値の情報です。
非財務情報とは
財務諸表に金額で記載されないような資産やその情報のことです。国際統合報告評議会(IIRC) の定義を用いると、人的資本、知的資本、製造資本、社会・関係資本、自然資本の5つに関する情報であると言えます。これらの資本が基となって今後の売上や利益が生まれることから「未財務」情報などと言われることもあります。
財務・非財務情報の開示
企業情報の開示には法律に基づく「法定開示」と企業が任意に行う「任意開示」があります。
これまで法定開示では、財務情報の開示が重視されてきました。法定開示文書で最も有名なものは、先ほども登場した有価証券報告書で昔から財務三表などの財務情報が主に記載されてきました。先に述べた通り、そこに非財務情報の記載が義務化されたということは時代の変化を象徴する出来事で、企業経営における非財務情報の重要性が高まっていることの表れだと言えます。
一方、任意開示で有名な文書は統合報告書です。従来、財務情報中心で投資家向けだった有価証券報告書に対して、財務情報も非財務情報も統合してステークホルダーに幅広く報告する文書です。こちらは投資家のサステナビリティ情報への関心の高まりに応じて、法定開示に先立って企業が自主的に開示を始めるようになりました。
今後、サステナビリティ情報の開示が強化されていくことは先に述べましたが、実際に開示するためには財務情報と非財務情報を可視化・評価・分析し、財務と非財務情報の関連性を把握しなければなりません。非財務情報は財務とは異なり数字だけでは表しにくい多様な情報です。義務化により企業側には相当の負担がかかることが見込まれており、2027年問題とも言われています。
非財務情報開示の義務化 2027年問題とは?
日本の企業に厳格かつ高いレベルで非財務情報の開示を求めるイベントが2027年に重なることから2027年問題と呼ばれています。前述のSSBJ基準による非財務情報開示の義務化、2028年3月期開始見込みの第三者保証(監査)の義務化などにより、財務情報と同じレベルで非財務情報を管理する体制が求められるのです。
このような非財務情報開示の義務化に伴う2027年問題に対応するため、大切ポイントがあります。
サステナビリティ情報開示(コスト)から、サステナビリティ経営(価値化)を目指そう
非財務情報開示の義務化に対して、情報を集め、集計しレポートに取り組むだけでは、単なるコストにしかなりません。そもそも企業のサステナビリティ活動の狙いは、単に情報を集計して公表するだけではなく、環境や社会に配慮し持続可能な形で企業を成長させていくことです。つまり、何らかの企業価値を生み出すことが本来の狙いなのです。
サステナビリティ情報の開示や社会貢献のための活動をコストとするのではなく、企業価値に変えていく経営をサステナビリティ経営と呼びます。サステナビリティ経営では、収益や時価総額を高めるだけでなく、幅広いステークホルダーに企業の存在価値を認めてもらうことを目指します(マルチステークホルダー主義)。
つまり、サステナビリティ情報の開示内容は、自社の経営戦略・パーパスや事業戦略の一部であり、世の中に必要な存在だと認めてもらえるものにすべきなのです。
このような企業価値を高めるサステナビリティ経営を目指すための非財務情報開示支援のサービスやコンサルティングを提供している企業を5社ご紹介していきます。
サステナ経営診断サービス「非財務価値サーベイ」 株式会社電通総研
概要
非財務価値サーベイは電通総研社が企業に提供している支援サービスです。「サステナビリティ経営の現在地を把握し、非財務価値を企業価値につなげる」をメッセージにして、サステナビリティ情報開示や非財務情報開示を支援しているのが電通総研社です。
これまでのサステナビリティ情報開示では、脱炭素などのサステナ活動に「まず着手していること」を示すことが重要でした。電通総研社ではこれからの情報開示は、それだけでは足りないと考えています。経営戦略や事業戦略との一貫性を示し、サステナビリティ活動に取り組むことが企業価値に貢献していることをステークホルダーにしっかり説明できるようにすることが重要だと訴えています。
同社のサービスでは財務指標やステークホルダー評価の向上につながりやすいサステナ活動をデータ分析により特定します。その他にも電通総研社の独自データであるイメージデータ(企業イメージ、就職意向、購買意向)や従業員クチコミデータ(待遇満足度、風通し、相互尊重、成長環境)を活用して、競争優位性も分析します。
このように非財務価値サーベイのサービスを活用すれば、自社の企業価値につながっているサステナ活動とそうでない活動を仕分けた上で、競争優位性も分析することができるため、戦略策定に役立てることができます。
事例や価格
事例は下記サイトに掲載されています。支援サービスの価格につきましては下記サイトからお問い合わせください。
引用元URL
https://sx.dentsusoken.com/
https://www.dentsusoken.com/case_report/case
サステナビリティ経営 アビームコンサルティング株式会社
概要
サステナビリティ経営に関する支援サービスは、アビームコンサルティング株式会社が提供しています。サステナビリティ経営の実現のために多種多様な方法論や豊富な実績を保有しており、サービスとして提供しています。
中長期視点とステークホルダー視点に立ち、財務資本と非財務資本を表裏一体として捉え、「企業価値向上のメカニズムを知り、財務・非財務の持続的な成長を実現する本質的なサステナビリティ経営」をメッセージとしています。
事業と連動し事業変革を通じて達成されるサステナビリティ経営を目指すために、非財務から見えてくる将来財務や価値を把握していきます。そのために価値創造ドライバーとなる定量的要素を明確に定め、実績を報告するサイクルを企業経営に提案しています。
事例や価格
サステナビリティ経営の実現のために日清食品様が事例掲載されています。ESG指標等の非財務的価値を財務価値と関係付け、定量化するための取り組みが下記サイトに掲載されています。支援サービスの価格につきましては下記サイトからお問い合わせください。
引用元URL
https://www.abeam.com/jp/ja/trend/sx/
https://www.abeam.com/jp/ja/case_study/cs131/
EYサステナビリティサービス EY Japan
概要
EYサステナビリティサービスはEY Japanが提供しています。持続可能な新しい経済社会において、企業が行動し社会的なインパクトを創出できるための支援をします。EYは幅広いサステナビリティ支援サービスを持っていますが、EY関連サービスの中にサステナビリティ経営コンサルティング・サービスと、非財務情報保証・開示アドバイザリー(アシュアランスサービス)があります。
サステナビリティ経営コンサルティング・サービスはサステナビリティ情報開示の世界的なルールへの対応だけの支援ではありません。社会から求められるサステナビリティ活動を通じ、企業価値向上と社会課題解決の両立実現に向けた経営改善を提供しています。
非財務情報保証・開示アドバイザリー(アシュアランスサービス)は重要なサステナビリティ指標の算定後の第三者保証サービスを提供しています。また、サステナビリティ情報開示に対応するために、海外子会社も含めた制度開示導入アドバイザリーも行います。グローバルファームとしての強みを生かした様々なサービスが強みと言えます。
事例や価格
サステナビリティ情報開示の義務化に対応する中で、さらに非財務情報開示に踏み込んだコスモエネルギーホールディングス様が事例掲載されています。まずはESGのE、環境に関わる数字を非財務情報として収集して開示し、企業価値との関連を分析する取り組みが下記サイトに掲載されています。
支援サービスの価格につきましては下記サイトからお問い合わせください。
引用元URL
https://www.ey.com/ja_jp/services/sustainability/services#tabs-145c899d28-item-f7802ad6c8-tab
https://www.ey.com/ja_jp/services/consulting/sustainability-management-consulting-services
https://www.ey.com/ja_jp/services/assurance/esg-sustainability-japan
https://www.ey.com/ja_jp/insights/nonfinancial-integrated-reporting/cosmo-energy-their-sustainable-management-strategy-utilizing-non-financial-data
ESG経営を支援するAIソリューションとサステナビリティサービス アクセンチュア株式会社
概要
ESG経営を支援するAIソリューションとサステナビリティサービスはアクセンチュア株式会社が提供しています。
ESG経営を支援するAIソリューション「AI Powered Enterprise Value Cockpit(エーアイパワード エンタープライズ バリュー コックピット)」は、財務三表やCSR関連データ等の社内外から集められた400以上の財務・非財務指標をベースに、企業の時価総額を予測するAIソリューションです。自社の企業価値に与えるESG活動や施策のインパクトの因果関係を把握し、可視化することが可能です。
サステナビリティサービスは、サステナビリティ戦略の立案・設計、サステナビリティデータの見える化とテクノロジー活用、2050年までのネットゼロ(設定目標の達成・具体的な脱炭素の成果)に向けた移行支援等を提供しています。
事例や価格
事例は下記サイトに掲載されています。支援サービスの価格につきましては下記サイトからお問い合わせください。
引用元URL
https://newsroom.accenture.jp/jp/news/2022/release-20220801
https://www.accenture.com/jp-ja/services/sustainability
サステナビリティサービス みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社
概要
サステナビリティサービスは、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社が提供しています。
サステナビリティ経営やESG情報開示に関するコンサルティングは、分析や可視化、戦略や計画作成、開示支援等の様々なサステナビリティ課題に合わせたサービスやソリューションを提供しています。人的資本、自然資本、脱炭素、資源循環、ガバナンス等の課題解決に対応するためのサービスの中に、非財務情報開示(有価証券報告書や統合報告書等)があります。
また、非インパクト可視化・複合的なサステナブル課題に関するコンサルティングのメニューのひとつに、財務価値の可視化支援(社会的インパクト評価)を提供しています。非財務情報開示のための事業や製品・サービスが環境や社会に与える影響を可視化します。
事例や価格
事例は下記サイトに掲載されています。支援サービスの価格につきましては下記サイトからお問い合わせください。
引用元URL
https://www.mizuho-rt.co.jp/business/consulting/business-field/index.html
まとめ
「サステナ開示・非財務情報開示の義務化が迫る!支援サービス比較5選」と題しまして、ご説明してまいりました。サステナビリティ情報開示や非財務情報開示に関する対応方法がご理解いただけたと思います。
サステナ開示・非財務情報開示義務化の支援サービスを選ぶべきポイントを総括します。
- サステナ開示や非財務情報開示が義務化されれば、各社とも取り組まなければならない
- しかし、収集・開示だけの取り組みでは、それは単なるコストにしかならない
- サステナ開示や非財務情報開示を単なるコストとせず、企業価値に変えていくことが重要
このようなポイントを意識しつつ、サステナ開示・非財務情報開示の義務化対応やサステナビリティ経営が実現できる支援サービスを選んでみてはどうでしょうか? 「サステナビリティをコストから価値に変えていく」このようなポイントをしっかりと押さえて検討していくことが、これからの企業のサステナビリティ対応の目指すべき姿と言えます。
当サイトではサステナビリティ経営の課題解決策やサステナビリティソリューションの導入を検討している方へ、様々なダウンロード資料をご用意しております。ぜひ資料をダウンロードいただき、ご活用ください。
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